*mixi のゲームサークルコミュニティ (クローズド) に投稿してあった記事の転載。*
ボクの名前はパディントン・シェラトン。
お母さんは魔道機師で、一緒に国王さまにも会ったことがあるんだよ。
将来は世界をまたにかけた大冒険をするのが夢なんだ。
ボクはこんな小さな村で一生を終えるタビットじゃないと思うんだよね。
みんなまだ一人前扱いしてくれないけど、早く冒険に出かけたいなー。
ボクの村に冒険者がやってきたんだ。
パーヴィルさんは魔法使いみたい。
ちょっとかっこいいんだ。
弟子入りして一緒に冒険に連れて行ってもらうんだ!
同じタビットとしてきっとボクの気持ちがわかってもらえるよね。
「お兄さんっ」て呼ばせてもらえるかな?
おうちの鍋がなくなったんだ!
鍋が無くなったらおいしいごはんつくれないじゃん!
お母さんがとっても怒ってるよ。
そういえば最近村で物やご飯が無くなったりしたってのをよく聞くよね。
ボクは急いで宿屋のお兄さんの所に行ったんだ。
「昨日の夜、ボクのウサギのぬいぐるみがが光ったんだ!
ピカーって!
まぶしくて眠れなかったから布団にぎゅーっと押し込んだんだけど、どうして光ったのかな」
そう言ってボクのうーちゃんをお兄さんに見せると、「こんな風じゃないか」と何やらつぶやいたんだ。
するとうーちゃんが光った!
そう!
昨日の夜もこんな感じに!
まさかお兄さんがボクにいたずらするなんて!
ボクがおにいさんににんじん投げてるとことに、酒場のおやじさんがやってきたんだ。
「そうなんだよな。
最近いろんなところで物が無くなったり、眠らされているうちにご飯がなくなったりすることが多くてな」
お兄さんは他の魔法使いの仕業だって言ってるよ。
お兄さんはそんなみんなにいたずらする人じゃないしね。
そう、つまり悪いやつがいるんだ。
「ボクたちにまかせてください!」
これって冒険ですね。
お兄さんと一緒に犯人を探す旅にでかけるんだ!
まずは村の捜査なんだって。
何事も手がかりをみつけるところからだよね。
聞き込み調査ってやつ。
なんだかかっこいいですよね。
最初はボクのお母さん。
戸棚にとじこめられている間に鍋がなくなったんだって。
お兄さんはよそ者があやしいって、他に村に訪れて来てる人がいないか聞いているよ。
鉱山で働いている人の宿、なんだっけ、みんなムキムキマンの宿って呼んでるけど、そこに向かうことにしたんだ。
ここがムキムキマンの宿!
ムキムキな人たちってちょっとこわいよね。
むかしは人がいっぱい居たけど、最近は村はずれの鉱山もにぎわってなくて、あんまり人はいないんだ。
宿にいたおじいさんに聞き込みだよ。
でもこんなムキムキマンの宿に魔法使いがいるわけないじゃないかって。
お兄さんが「最近見慣れないやつが村に来てないか」って聞いたけど、「お前以外にいない」って言われてる。
お兄さん...ちょっとあやしい?
つぎの聞き込みだよ。
他にも事件があったおうちを調べるんだ。
子供がいっぱいいるうちだよ。
そういえばボクも9人兄弟だよね。
ちなみにボクは末っ子だよ。
子供がごはんを食べていたら寝かされて、起きるとごはんがなくなってたんだって。
あ、窓が開いてるよ!
窓から入ったんじゃないかな。
お兄さんは窓に届かないよね。
次はうーちゃん発光事件を調べるよ!
そういえば夜、ボクも窓開けっ放しで寝てたかな?
ボクの部屋は二階だし、お兄さんの推理では、誰かが遠くから魔法で光らせたんじゃないかって。
ボクの窓から見えるのはあのうちの屋根かな?
調べてみたけど、何も無かったよ。
ボクのおうちのまわりも特に何もなし。
お母さんのにんじんも綺麗に植わってるし。
「こんないたずら、グレムリンがわらってるみたいじゃねぇか」って言ってお兄さんはひらめいたみたい。
どうやらグレムリンってやつが犯人らしいよ。
グレムリンは空を飛んでやってくるんだって。
魔法もつかうし、いたずら好きなんだ。
じゃぁ、グレムリンをやっつければいいんだね。
冒険っぽくなってきたよ!
ボクたちはグレムリンをおびき出すことにしたよ。
村はずれの森に入ってキャンプして、お兄さんがいたずら好きなやつの興味を引くって作戦らしいんだ。
ボクは隠れてやつが出てきたら二人でこらしめるんだ。
さっそく準備して冒険に出発だ!
ボクはちょっと離れた草むらに隠れてる。
こう見えても隠れるのは得意なんだ。
お兄さんは焚き火を起こし、ネコのぬいぐるみを操ってるみたい。
それでグレムリンの興味を引こうって寸法だね。
お兄さんはいろんなことができるんだね。
どれくらい経ったのか、耳を澄ますと何か聞こえてきたんだ。
ガサガサと何かが近づいてきたみたい。
...え、ボクのほうにやってくるよ?
ちゃんと隠れてるのに。
それにグレムリンは空を飛ぶって言うのに、飛んでないよ!
しかもいっぱいいるみたい!!
キケンを察知したボクは草むらから飛び出し、お兄さんのほうに駆けつけたよ。
ボクの後ろからは現れたのは三匹の狼だったんだ。
お兄さんが魔法で足元の石を光らすと狼たちはあとずさる。
ボクは自慢の銃をさっと取り出すと、狙いを定めてやつらとの間合いを計ったんだ。
お兄さんがまたしばらく何やらつぶやいたかと思うと狼さんたちに電撃が走ったんだ!
やつらは逃げていくよ。
お兄さんかっこいい!
今日はもうおうちに帰ろう。
お兄さんは宿屋に帰ったのでボクもうちに帰ることにしたんだ。
玄関まで来るとなにやらキッチンのほうで音がする。
でも、ボク一人だよ、どうしよう。
ボクはそっと扉を開けてキッチンのほうに向かったんだ。
キッチンの窓は開いてる。
それはいつものことだよね。
でも調べてみるとフライパンやおたま、トングとかも無くなってるよ!
たいへんだ!
やっぱりやつがやってきたんだ!
窓開けとくとあぶないよね。
窓を閉めようとしていると物音に気が付いたのかお母さんがやってきた。
グレムリンが来たんだって言ってもお母さんは聞いてくれないよ。
仕方ないからもう寝よう...。
宿屋に行って昨日のことをお兄さんに話してると、ボクのお兄さん(本当のお兄さんね)がやってきたんだ(なんだかややこしいな)。
トングを持ってるよ。
あ、それ昨日なくなったやつだ!
村はずれに落ちてたのを見つけたみたい。
ってことはやつは向こうに行ったんだ。
そういえばあっちには古い鉱山があるよね。
きっとあそこがやつらの住処なんだ!
ボクたちは宿屋のおやじさんにおべんともらってでかけることにした。
古い鉱山までは歩いて一時間ちょっとくらいかな。
昔はちゃんとした道もあったんだ。
途中あたりを見つつ歩いていくとフライパンとおたまを見つけたよ。
やっぱりやつはこっちにいるんだ。
坑道の入り口まで来たよ。
調べてみたけど、くもの巣はってるしだれもここには入ってないみたい。
近くにもう一個坑道があるよね。
10分くらい行った所にある別の坑道に着いたよ。
入り口を調べてみると足跡があったんだ。
よくわからないけど、きっとやつに違いない。
ボクたちはたいまつに火をつけ、奥に進むことにするよ。
しばらく進むと坑道は右にまがってるよ。
その先は部屋になっていて、正面と左に扉があったんだ。
調べてみると左の扉はカギがかかっていて開かないみたい。
前の扉を開けて進んだんだ。
その先も部屋になっていてまた正面に扉があるよ。
調べてみたけどどうやら埋まってるみたい。
むかし鉱山で事故があったってやつかな。
これ以上進めないから戻らないと。
そう思ってると後ろの扉が閉まった!
たいへんだ、とじこめられた!
カギがかかって開かないよ。
扉の向こうからなにやら声が聞こえる。
やつにちがいない。
ボクだって冒険者です。
こんなカギくらい壊せるんですよ。
[ノッカー・ボム]でカギを壊して扉を開け、最初の部屋にもどったんだ。
やつはいない。
もう一個の扉はカギがかかってる。
きっとそっちに逃げたんだ。
カギを壊して扉を開ける。
とたんに中からからなにやら飛んできて二発ボクにつきささったんだ!
超ピンチ!!
そこにボクをかばうようにしてお兄さんが中へ飛び込んだんだ。
グレムリンだ!
二匹もいるよ。
お兄さんが魔法を放つ!
ボクも銃を撃ったけどあたらなかった。
グレムリン一匹はお兄さんに向かってる。
もう一匹がまたボクに魔法を撃ってきたよ!
やばい!
自分に[ヒーリング・バレット]を撃つけどうまくいかない。
こんなはずじゃないのに。
でもお兄さんが回復魔法をボクにかけてくれたよ。
ありがとう!
グレムリンたちはお兄さんに向かっていってる。
大丈夫かな。
お兄さんは魔法でグレムリン一匹をたおしたよ。
ボクは怪我してるお兄さんに[ヒーリング・バレット]を撃ったんだ。
こんどはちゃんと効いてるみたい。
もう一匹のグレムリンがお兄さんにかみついてる。
ボクの銃は3発しか装填できないんだ。
つまり全部撃っちゃったってこと。
もちろんガンベルトに弾はあるけど、装填しなくちゃいけない。
そんなこともあろうかと、サーベル持ってるんだよね。
でもボクってサーベルちゃんと使えるんだっけ?
再装填しようかサーベル抜こうか戸惑ってるとお兄さんがに魔法を唱えたんだ。
魔法がグレムリンに突き刺さる!
やつは断末魔を上げ倒れた。
さすがお兄さん!
ボクたちの勝利ですよ。
お兄さんが倒したグレムリンからへんな首飾りをみつけたから、もう一体も調べてみるよ。
ボクもへんな首飾りを見つけたんだ。
部屋の奥には扉があって、またカギがかかってる。
お兄さんの冒険者の勘ってやつによるとこの先はあぶないらしい。
いまの戦闘でもうへとへとだし、グレムリンも倒したから帰ることにしたんだ。
帰り道は何事も無く、宿屋まで戻ったよ。
おやじさんにグレムリンを倒したって報告したんだ。
へんな首飾りは一個 160G で買い取ってくれるって。
やったー!
あの冒険からしばらく経つ。
グレムリンがいなくなって村は平和になったよ。
もう物が無くなったりもしないね。
村のみんなはボクたちに感謝して 210G もくれたんだ。
冒険者ってもうかるね。
これでボクも一人前の冒険者さ。
そういえば、ボクのうちの鍋は見つからなかった。
他の物もなかったね。
もしかしたらあの奥にあったのかも。
今度また探しに行こう。
冒険だね!
次の冒険につづくよっ!
筆: Pomatoto
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